「苺花ちゃん-----」


先輩はわたしの名前を呼びながら抱き締めてきた。



「俺、ヒトメボレだけど苺花ちゃんがずっと好きだったんだ。」


「先輩……」


「だから君が泣いてると俺も辛いよ。
大西くんと付き合えないならさ、俺のこと好きになって?試しでいいから付き合ってよ。」


お試し?


先輩と付き合ったら京ちゃんを
忘れられる?



「時間をください。」

先輩の腕の中でそう言った。