「––––––永倉さん、今ので分かったと思いますけど、僕は誰かに心配してもらえるような人間じゃない。それが分かったら、もう2度と僕の心配をしないでください。迷惑です。」
僕は永倉さんを冷たく突き放し、永倉さんに背を向けて廊下を歩いた。
僕の言葉を原田さんが皆に言ったら、きっと皆も自然と僕を遠ざけてくれる。
信頼されてる原田さんから聞いたら、皆も信じるだろうし。
「…………できることなら僕も原田さんや藤堂さんみたいな人になりたかったなぁ。」
僕が不意に漏らした言葉は、激しい雨の音の中に静かに消えていった。
ケータイ小説 野いちご
幕末にタイムスリップさせられました!?弐〜新選組と殺し屋の僕〜
< 69/
193 >