上野くんこんなに強引だったっけ。



てなに、私知ったかぶりしてるの。私が上野くんの何を知ってたって言うのよ。



でも、なんでこんなことになったの!!



呼び込みなんて行かなければよかった⋯⋯。


隼人くんに迷惑かけちゃう。


今隼人くん、私の事待っててくれてるはずなのに。



「ここでいいか」



ここは人が全然いない踊り場的なところ。



できるだけ早く済ませよう。



「⋯⋯今更何?」



口に出した言葉や声は自分が思った以上に冷たい声が出た。




それを聞いた上野くんは辛そうに顔を歪める。



辛いのは私の方だよ。




「心菜に謝りたかったんだ。中3の2学期の頃」



別れ話の時かな⋯⋯。




「なんで⋯⋯?謝る必要ないよ?」



上野くんは本当の事言っただけだし。



なんの努力もしなかった私も悪かったし、あんな私と付き合ってくれたんだし。



「お願い。聞いて」




「⋯⋯もう何も聞くことなんて、ない」




だから、掘り返さないでよ、せっかく忘れようとしたものを。




「お願い」



そう思っても上野くんの真剣な目に何も口答え出来なかった。