前そんなこと言っておいて、私を裏切ったくせに。



ぶわっと過去がよみがえってきて、最後に残ったのは恐怖と、嫌悪と羞恥。



「わ、私行かなくちゃっ」




震える手を頑張って抑えて私は走って逃げる。




こっちに来ないで!




今更何!?あんな言葉なんで言えるの?




心菜は心菜?私の事嫌いだったくせに!



なんで、優しくするの⋯⋯!



でも、ドキドキはしなかった。どちらかと言うと怖い。




花火大会と似たような感覚。




バシッ




捕まってしまった。




怖い。怖い。怖い。



下を向いてるから上野くんがどんな表情をしているのか分からないけれど、見るのも怖い。




「心菜、ちょっと話がしたい」




「今文化祭⋯⋯」



話したくない。これ以上、私に関わらないで!



「来て」