自転車に乗りながら中学時代のことを思い出す。

初めに言っておこう。
俺は馬鹿だ。それはもう見事に。


今まで何人もの教師が立ち向かってきたが、それもそう持たず全員が撃沈した。


だが、俺は今高校になんの問題もなく通えている。いや、問題はあるが。

俺が高校に通えるのは誰にも負けないと言えるくらいの物があるからだ。

それは、陸上だ。

俺は今までずっとこれに助けられてきた。
この役立たずの頭ではなく。


走るのは好きだ。
走っている時は頭がすごくクリアになる。


頭に来る顧問の事も部活の奴らの事も全部。


俺は絶対にこれで頂上に行く。
そのためなら何だってやってやるさ。

俺は父さんみたいに誰かの為に身を削るなんてできねーよ。

俺は独りだ。これまでずっと。
多分それはこれからも、なんだろうな…