聖夜が部屋の中を、何かを探すように歩き出した。



「次は服だな。服はどこ?」



なんだか、おかしな事になってる気がしてならない。



「服も俺が選ぶから。」



必死に服を選ぶ聖夜見ていたら、可笑しくて笑えてきた。



「美莉、ブラしろよ。」



え、やだ、してなかったけ。



どうもすみません。



だって、こんな朝早くから来る人いないし。



この部屋に、身内以外の男子入ったのはいつぶり。



あれ、何年も兄以外の男子がこの部屋に入った事はなかった。



聖夜も一応男子だということを忘れていたし。


でも、ノーブラはなかったと思う。



恥ずかしいさを通りこして、この際謝るしかない。


「ごめんなさい。」



「何を謝ってるの。」



それは、お見苦しいものを見せてしまったからでございます。


笑ってごまかした。


「ましな服が一枚もないな。」



「今度の休み一緒に服を見に行おうぜ。美莉に似合うのがない。今日は仕方ないからこれ着て。」



Tシャツとジーンズ。



「どうせ、コンビニの制服着るからいいか。」



最初から、そう言ってよ。



制服着るんだから、何でもいいことは分かってるし、聖夜って、本当にめんどくさい男だね。



彼氏にはしたくないタイプ。



うん、何で彼氏とか思ったのかな。


なんで、そんな事思ったのか分からないが。


12才差は、絶対あり得ないのに。



神様に誓って、聖が彼氏にだなんてあり得ない。


どうかしちゃったみたいだ。


自分に何度も問いかけてみた。



絶対、おかしい。


こんな気持ちになってる自分が、信じられなかった。



この気持ちは一体なんなの。


知りたくない。


気づかなかったことにすれば、まだ、きっと戻れるはず。