ケータイ小説 野いちご

全ての記憶を《写真》に込めて


「どうしよう、動いたら起きちゃうよね…」
あ、写真撮ろう。せっかくの機会だし。晴くんの寝顔なんて見られないと思うから。



_______________パシャ。




すると、腕を掴まれた。反射的にカメラだけは守る。
「ふぁ……、なんで勝手に撮ったのかなぁ」
「えっ、起きてたの?」
「寝てたけど、」
カメラ向けられてた気がしたからさぁ、と目を擦りながら言う晴くん。
やっぱりなにか力持ってそう……。
「あの、待っててもらってごめ、」


「心配かけないでよねぇ」


あ、そうだ。晴くんは教えてくれてたんだ。なのに、私がとろくて…。
「ご、ごめんね」
「別に怒ってないし〜」
「でも、心配かけちゃったし…」
下を向くと頭に重みがかかった。反射的に上を向く。それは晴くんの手だった。そしてそのまま晴くんは私の頭をボサボサにする。
「こういう時は“ありがとう”って言っておけばいいの! そんなのも分からないかなぁ」
「あ、ありがとう!」
ほら、帰るんでしょ、と言ってカバンを渡される。

「今度なにかお礼するね」
「はぁ?別にそういうのいいんだけどぉ」
「私がお礼したいの」
待ってもらって何も返さないってダメだと思うから。まぁ、今までお友達がいなかったからどのように接していいのかわからないだけかもしれないけど。



「じゃあさぁ、明日の二時間目一緒にサボる?」



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