ケータイ小説 野いちご

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全ての記憶を《写真》に込めて


「頑張れー、二組ー!」
ステージの上に座って応援する。その声に気づいたのか、茉莉ちゃんが手を振ってくれた。だけど、こっちに来ることは出来ない。ステージ側のコートはバスケで使ってるから。

「茉莉ちゃん!頑張って!」
大きく頷いてくれる茉莉ちゃん。
「御国、変わったな」
「えっ、そうですか?」
女子体育の先生、瑞生先生の方から話しかけられることなんて無かったから、びっくりした。瑞生先生は言葉は男っぽいけど、れっきとした女の人だ。
「えへへ、最近楽しいことばっかなんですよ」
「それは良かったよ」
そういって、微笑む。そして、ラスト十分!と体育館全体に向かって声を上げる。
その直後、一層体育館の温度が上がった。

シャッターをしきりに押す。明智先生に頼まれたことをも忘れずに。


すると、ファインダー越しに茉莉ちゃんと目が合う。
「 」
「なぁに!」
必死に何か言ってるけどバスケの方での声掛けで聞こえない。
そして、カメラを下ろす。

「彩月!避けて!」

聞こえたのは茉莉ちゃんの声ではなく晴くんの焦った声だった。


「え、」



聞こえたのは晴くんの声。
見えたのは私に向かってきたボールと反射的に出した自分の手だった。




_______________バタンッ!



だけど、手は間に合わなくてそのまま頭に勢いよくボールがぶつかる。そして、頭をどこかに大きくぶつけたような感じがした。



その時には既に私の意識は飛んでいて。


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