「ふふっ、ごめんね。」


「そう言いながら笑わないでよ…。」


「だって…ふふっ。
小さい頃の、話をしてもいいかな?」


「小さい頃…?」


「そう。
まだ、日本にいた頃のそよの話。」


「うん。」



パパが話し出した、まだ3歳だった頃の私。


その時もまた、こうやってパパと桜を見に来ていたんだって。


その頃の私は本当に身体が弱かったみたいで、病院の敷地内の桜を見ていて。


どうやら私は…やらかしたらしい。



「そよ、おおきくなったらね。
おひめさまになるの!さくらのおひめさま!」



パパにそう公言したらしい。