「乗る?」


「うん。
少しだけ…散歩、してきてもいいかな?」


「それならパパも一緒に行くよ。
そよ1人じゃ迷子になるかもしれない。」


「この街を知るのもいいことだわ。
パパと仲良くするのよ?」


「うん…!」



パパに抱き上げてもらって、そっと車椅子に乗せてもらうと。


お気に入りの膝掛けをかけて、パパと一緒に家を出た。




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「綺麗だね。
これが桜だよ、そよ。」


「…これが、桜…?」



しばらく歩き続けていると、大きな大木の桜を見つけた。



これが…日本の桜…。


淡いピンク色の花びらがひらひらと風で舞っている。


桜を見るのは初めてじゃないけど、日本の桜を見るのは初めて…。



「わぁ…。」



ちょうど手のひらに落ちてきた桜の花びらを撫でてみる。


ふわふわしてて、なんだかくすぐったい。