「さっきあたしに悠を殺させただろうが!」


ガンッ!と自分の机を蹴って怒鳴る梨央。


「あの映像がないものとして考えたら、もう誰も死んでほしくないよ」


里子がそう言った。


その目には涙がたまっている。


「殺したくないし、殺されたくない! だけど仕方ないじゃん! 雨が悪いものを連れて来ちゃったんだから!」


里子の言葉は誰も悪くないと言っているように聞こえた。


これはどうしようもないことなんだ。


あの映像も必要なものだし、それに従う事も必要な事なのだ。


この雨が、止むまでは。