こんなのただのワガママだと思うけどこの日常から抜け出したくて、現実逃避をしたくてたまらない。


狭間さんへの罪悪感が消えないまま、あたしは家とは真逆の方向へと進んでいく。


どこに行くなんて、知らない。


行き先なんて決めてもいないから。


ただ、あたしは自由になりたい…それだけだった。


この閉じ込められた生活から抜け出したいから反抗する、きっと理由はそれだけ。


無我夢中で歩いていたあたしだけど、さっきまでとは空気が違うような気がして


ハッと顔を上げるとそこには“Black City”と呼ばれている街に来ていた。


“Black City”とは不良たちや落ちこぼれが集まる街のことをそう呼ぶらしい。