「先輩たちは?」


大和がクラスメートに聞く。


「誰もいなかった」


「職員室は? 先生は残ってるだろ?」


「ダメだった。本当に誰もいない」


落胆した表情で左右に首をふるクラスメート。


「嘘でしょ……?」


あたしは無意識のうちにそう呟いていた。


1年A組だけが学校内に取り残されたってこと……?


「絶対に誰かいるはずだ。手分けをして全部の教室を探そう」


大和が静かな声でそう言ったのだった。