一人の高校生の視線が気になって、落ち着かない。



「店長、いくつに見える。」



二人の高校生が私をじっと見つめた。



「圭吾君と同じ。」



「25くらい? 」



そう言った佳奈ちゃんは、背のすらっとした美人さん。



私がニヤけてると、聖夜が爆弾を落とした。



「店長は30才、見えねぇよな。」



「嘘。店長なの。」



二人に見つめられなんだか、気まずい。



そんなに見られたら緊張してしまう。



聖夜、いいから早くレジ教えなさい。



これじゃ、仕事にならない。



何、この空気。



百合ちゃんが笑いだした。


「30才ってオバサンじゃん。いくら若く見えても30は30だね。」



「百合ちゃん、店長さんに失礼だよ。」



「私は嘘言えないんで、悪く思わないでくださいね。だって聖夜取られたくないからさ。年聞いて安心した。」



百合ちゃんは聖夜が好きだから、ずっと私を睨みつけてた訳。



心配はいりません。



聖夜を恋愛対象にみる事はありませんから、安心して下さい。



「聖夜君、レジ操作教えて下さい。」



可愛い百合ちゃんに好かれちゃって、若いっていいわ。



こんな事思う私はやっぱりオバサンだ。



恋なんて、何年してないのだろ。



指折り数えて、嘘、25才の時から5年も恋してなかった。



干からびてるな私。



干物生活、何年もやっていたし。



明るいお店の中で、若い子たちの言葉はかなり刺激的。