学校までは、電車で30分の所にある。



遠すぎず、近すぎず丁度いい場所にある。



いつも1番前の車両に乗り、座らずドアに寄りかかっていることが多い。




1番前の車両は、比較的空いていて静かで落ち着いて乗っていられる。





それから、学校の最寄り駅まで着いた。





「愛!おはよう。」





「菜々。おはよう。」




私に声をかけたのは、幼馴染みの島野菜々。




「よっ!」




こいつは、菜々の彼氏である河田蓮。




「じゃあ、私はお先に。」





2人の邪魔をしてはいけないと思い、私は2人を置いて先に教室に向かった。






「私は、やっぱり出席番号は1番最後だ。」





私の本名は、若木愛。




この名前だと、出席番号で1番最後になる運命だ。





だけど、1番窓際のこの席は私の特等席。




周りから監視されることなく、落ち着いて過ごせるから好きな席。






今年も、1番最後でよかった。





そんなこと考えながら、1時間目の授業の準備をしていると、校内放送が流れてきた。






「今日から、新任の先生が来ました。


挨拶があるので、全員第1体育館へ向かってください。」






めんどくさい…。




さぼろうかな…。





新任が誰であろうと、私には関係ない。




興味なんてない。





「菜々、私また屋上に行くね。」






「私も行く。」





「菜々はいいの?学級委員なのに。」





「平気平気。」





それから、私は菜々と2人屋上に向かった。