電話の向こうの声は私が何か月も聞きたかった声だった。


「…かず、と…?」


「…梨華…?」


「一翔なの?一翔なのね。」


嬉しさがこみあげて目には涙があった。


「明日、10時倉庫で待ってる。」


それだけ言って一翔は一方的に電話を切ってしまった。


それでも私は、嬉しかった。


とても。


何か月も待った愛しい人の声。