昔々、フェイレイとリディルがこの学園に留学していた折、この学園の在り様に驚いたという。

リュートも然りだ。

ここでは、彼が皇都の荒野で勝負を挑んだドラゴンでさえ、クラスメイトになるかもしれないのだ。

この学園の在り様が、ミルトゥワに、世界中に、宇宙中に広まったとしたら。

戦争や紛争という概念さえ、なくなってしまうかもしれない。

「すげぇ学園だな…こんな場所がこの世界にはあんのか…」

廊下を行き交いながらも、誰1人として喧嘩も小競り合いも、奇異の目で見る者さえいない。

生まれが何処の誰であろうと、ここでは『擦れ違う生徒』でしかないのだ。