「それでね、零君ったら入学当時から目立っててね。
女の子に騒がれたり、先輩に目つけられたり大変だったんだよ。
まあそれが理由で高校、めんどくさくなってやめちゃったんだけどね」



「へぇー!...当時からそんなモテモテだったんですか」


「そりゃあ零君みたいな男を女が放っておくわけないからねー
零君に喧嘩売る男は大体嫉妬が原因だったんだよー」


「えー!!それだけで喧嘩売るなんって小さい男ですねー!!」


「...おい神崎、あの頃の話はやめろ」



「えー!いいじゃないですか別に!
私零さんの事もっと知りたいもん!!」



「そうだよ零君。
可愛い彼女がこう言ってるんだから、いいじゃない別に」


「...」




文化祭が終わって早くも2週間が経った。


土曜日の休み、私と零さんは零さんが働いているBAR
『NOISE』に来ている。



昨日零さんがNOISEにスマホを忘れていって
今日取りに来たら、神崎さんが「よかったらゆっくりしていって」と、相変わらずの紳士的な態度で安心した。




「...そういえば神崎さんとは会うの二回目ですね」


「そうだね、会った時より可愛くなっててビックリしちゃったよ」


「えっ!?ホントですか!?」



嬉しくて思わず立ち上がると、零さんに引っ張られて無理矢理座らされた。




「真に受けるな。
こいつは女なら、特に客なら誰にでもこう言うぞ」


「えぇ!?神崎さんホントですか!?」


「いやいや、本気で可愛いと思ってるよ」


「ほら、やっぱり思ってくれてるんだ!!」


「だから真に受けんなよ」