振り返った先には瀬川さんが居た。
彼は同じクラスで席もお隣さん。
そんなに話す仲でもないのにどうしたのかと首を傾げる。

 「どうしたの?」

 「あの…」

彼が喋ろうとした直後、聞き慣れた聞こえがそれを遮った。

 「夏華、お前も今から帰んのか?」

 「…佑斗」

佑斗の隣には三上さんがいた。
2人が手を繋いでいるのが目に入って慌てて逸らす。

 「うん。路上でイチャイチャして周りに迷惑かけちゃダメだよ?」

 「馬鹿かお前は」

 「そっ、そんなことしませんよ!」

バシッと頭を佑斗に叩かれる。
容赦のない一発にさすがにクラっとしたが悪戯に笑って見せた。

 「お前、余計なこと三上さんに吹き込むな。じゃあな」

 「さようなら、宮條さん」

 「2人ともまた明日ね」

2人が行ったのを確認すると、
さっきまで空気化していた瀬川さんが口を開いた。