本当に...零さんってばいい男すぎて私には勿体ないんじゃないかって天使でさえも悪魔と一緒に耳元で囁いてくる。



ゲームセンター前で、こんな嬉しい事言われて
もしここが外じゃなかったら抱きついてたと思う。




「...零さんってやっぱりバカ...」



「あ?」



「こんな所でそんな事言わないでくださいよ!」



「...?」



「私...ほんとに...」




どうかしてると自分でも自覚しちゃうくらい、ゲームセンターの駐車場で零さんにキスをした。




それは短くも、私にとっては甘く長いキス。





人に見られることや目立つ事が苦手なくせに
零さんにかけられた魔法は、解けるはずもなく私を大胆にさせた。




「...やっぱお前、恐ろしいくらい大胆だな」



「零さんのせいですよ!
あっ、それと帰りにスーパー寄ってくださいね
今日の夜ご飯はハンバーグです!!」



「ほんとハンバーグ好きだな」



「そりゃあもう大好物ですから!」





他愛もない会話をしながら、乗ったバイクが夕日のせいでオレンジへと溶け込む。




ねぇ零さんずっとずっと一緒に居ようね?





心の中でそう思いながら零さんに話しかけていたのは
零さんには内緒なんです...。