───ガチャ


「…おっせーな、祐実。どんだけ準備に時間かかれば────」


私の身支度する遅さに我慢の限界が来ていた松下くんがため息交じりでそう言いかけて、こちらを大きな目を見開いてみていた。



「うっ、、、な、何?」



やっぱりワンピースはダメだったかな?!
気合入ってると思われてる?!


目の前の松下くんは、どうしたんだと言う顔で私のことを見ている。


あぁ、やばい。


大失敗だこれ。



「ご、ごめん。似合わないよね、あははっ。着替えてく───っ」


ガシッ

っ?!


振り返って部屋に戻ろうとした瞬間、腕を松下くんに掴まれた。




「……だめ」


っ?!


「えっ!ほらやっぱりだめなんじゃん!」



なんでわざわざそんなこと言うために引き止めるかな。


「だから着替えて…」


「だからだめだってば」


「へ?」


「それでいいから。時間ねーし。俺の貴重な休みを待つので終わらせるつもりか」


うっ。
時間ないから着替え直さなくていいとか…。
そりゃ時間が押してるのは私が悪いけど…。