ケータイ小説 野いちご

春が来たら、桜の花びら降らせてね


「ん?あぁ、おはよ」

え……?
夏樹君は、私の心の声に返事を返した。

ただの偶然だろうか、でも……夏樹君はこうしてたまに、私の心の声が聞こえているみたいに返事をくれる。

もしかしたら本当に、君にはわかるのかなと、バカなことを考えた。

「あれ、違ったか?てっきり、俺に挨拶してくれたんだと思ったんだけど」

「っ……!」

やっぱり、私の言いたいことに気づいてる。

驚きに黙り込む私の顔を、夏樹君が覗き込んで首を傾げた。

私は慌てて、違くないと言うように首を横に振る。

これって、ただの偶然……?

「なに、キョトンとしてんだよ。言ったろ、冬菜の言いたいこと、俺にはわかるってさ」

そういえば、出会ったばかりの時、『表情見てれば、なんとなく言いたいことわかるし』と夏樹君が言っていたのを思い出した。

また顔に、出てたってことだろうか。
なんだか、不思議な気持ちになっていると、「そうだ」と何かを思い出したかのように夏樹君が声を上げた。

何だろうと夏樹君の言葉を待っていると、その顔が少し拗ねたものに変わる。


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