「─────大丈夫か?」 ────正直、もうダメかと思った。 さらわれることを覚悟した。 緋月( アカツキ )のみんなに心配をかけてしまう。ケガさせてしまう。 頭の中には恐怖よりもそれで埋め尽くされていた。 「……っ、なんだテメェ!!」 「────テメェに応える義務はねぇよ」 そんな私を心身ともに救ってくれたのは、見たこともない男の人だった。