「本当に高校生? やべー、テンションあがるわー!」


「可愛いねー。とりあえず全員でライン交換しちゃいましょー」



あはははーと軽いノリで、まわりの人たちのペースに合わせる。



最近、ため息をついてばかり。


そんなあたしを心配した友達が、大学生との合コンinカラオケを開いてくれた。



歌詞の意味は分からない。深く考えるのがめんどうくさい。



流行っているラブソングを選んで、音程は合わせきれないけど可愛いといわれる歌声を披露する。



「アリサちゃん、今度、2人で遊びに行かない? ドライブとかどう?」



高校に入ってから彼氏は作っていない。


良ちゃんとキスしてからはもう無理に作らなくていいと思っていた。



でも、あたしはそんなに強くない。



良ちゃんに突き放され続けるのは、つらい。



「ドライブいいですね! 楽しそう~」


「よかった。アリサちゃん、さっきから疲れてる感じだったし」


「そんなことないですよぉ。楽しいですよ?」


「あはは。じゃあとりあえず海に行かない? いろいろ叫んでストレス発散しちゃおうよ」


「それいいですね! ぜひ、よろしくお願いしますっ!」



下手くそな歌声が響く中で、密着させた体。


手がつながれる。指が絡められる。



これでいいんだ。


これで、きっと、また良ちゃんはあたしに興味を持ってくれる。