「カズマは?もう帰ってきた?」



「知らないわよ。行ってきたらいいじゃない」



だね、行ってきまーす。



カズマの家は行きなれてる。



勝手に部屋にいることもあるけど、親戚の女の子がいるとなると行きづらいよね。



チャイムを押し、待つこと数秒。



「なんか用か?」



わっ!



突然後ろから現れたのは、カズマ。



「びっくりしたぁ!お帰りなさい」



「…ただいま」



カズマは突然下を向いてしまった。



けどきっとこれは、いつものあれ。



怒ってるんじゃなく、照れ隠し…なんだよね?



「親戚の女の子が来てるって聞いたの。いつまでいるの?」



「げ。もうバレてんのか」



「お母さんから聞いたの。どんな子?会ってみたいな」



「んー…そのうち会うはず」



「そのうちって!今会わせて?」



「まだ戻ってない。一緒に帰ってきたけど、コンビニに寄ってから戻るって」



「そうなんだ~。ねぇ、どんな子?」



「普通」



普通って!



も~、カズマの感想は宛にならないなぁ。