「そーいうことだから」 ローファーが視界から消え、足音は徐々に遠ざかっていく。 私は足の裏が地面の裏にくっついてしまったかのように、その場から動けなくて。 遠いと思ったら突然近かったり、近いと思ったらどうしようもなく遠くなったり。 昔は以心伝心。 いつだって、わかり合えていた。 でもいつの間にか、こんなにも心の距離は測るのが難しくなってしまっていたなんて。