「お前ら、2人揃ってバカにしやがって」


拗ねたように口を尖らせる律が可愛い。

「ごめんごめん」

私は笑ってイスに座った律の頭を撫でた。


ふわりと嬉しそうに笑った律とは裏腹に
悲しそうに、辛そうに私たちから視線を外した紫色には全く気が付かなかったんだ。



「はい、席つけー」


そこで担任が入ってきてみんな席につく。

私たちの担任は若くてかっこよくて、いつもダルそうな男の先生だ。

相田 亜津(あいだ あつ)

通称『あっくん』だ。


「おはよー!あっくーん!」

生徒に大人気の先生。

私も大好きで、その人が担任になった時は友達と飛び跳ねるくらい喜んだ。