突然聞こえてきた人の声に心臓が跳ね上がり、思わず悲鳴をあげる。



「ひゃっ……!
って、あっ、えっ、楓くんっ!? お、おかえり!」



突然聞こえてきた声の主は、他のだれでもなく楓くんだった。



待合所の入り口の柱に寄りかかるようにして、呆れたような、怪訝そうな表情でこちらを見ている。



練習に夢中で、帰ってきたことにこれっぽっちも気づかなかった。



「ただいま。
つーかなんだよ、キョドりすぎ」



そわそわしてることは秒でバレたものの、ふっと安堵が心に広がる。



良かった……。

まるっきり勢いだったけど、なんとかおかえりって言えた。