「本当、良ちゃんってツメが甘いよね。ちゃんと見直ししてる?」


「真面目にやる時と、めんどくさくなる時ある」


「だからだよ。ちょっと成績上がったらすぐ調子乗るのだめだよ」


「まあ……」


「最近、部活もあんまり熱入ってないよね。この前友達とサッカー部眺めてたけど、昔の方が一生懸命だったじゃん」


「まあ……」


「たぶん良ちゃんが彼女できないのも、そこが理由なんじゃない?」


「…………」


「ねー聞いてる?」



お、だんだん目線が鋭くなってきた。


イライラしてきたかな。言いすぎちゃったかな。



良ちゃんはバン! と机に勢いよくシャーペンを置いた。



「あのさ、なんでそんな上から目線なの? こういう時だけ年上ぶんなよ。まじムカつく」



ハイ出たー! 年上だと思ってない発言。本当かわいいなー。



良ちゃんがいるから、

あたしは人形じゃなくて、意志を持った存在でいられる。



きっと、そうだ。



まだまだおこちゃまだけど、早く恋愛に目覚めないかなー。


どんな感じになるのか楽しみだよ。



(ちなみにその後の期末テストでは学年10位になれたため、坊主はまぬがれたらしい。良かったね。)