雲一つない晴天の空。





空が、風が、人々が。


この世界を成り立たせる全てのものが、嫌というほど1人の少女の犠牲により得たこの平和を祝福する。







「えー、今日は魔法使いと人間との差別がなくなり、皆、平等になった記念すべき平和記念日であり、英雄の日でもあります。我々が今、こうして争いのない平和な……」






テンプレのような政治家の言葉がテレビの向こうから聞こえる。






あれから何日、何ヶ月、何年たった?




世界は相変わらず〝英雄〟の人類最後の魔法のおかげで今日も平和だ。






差別なんてない。



争いなんてない。







誰もが望んだハッピーエンド。