するとその時、


「どうしたの?誰かに用事?」


私の姿を見つけて声をかけてくれたのは、あのサッカー部の美人マネージャーの美希ちゃんだった。


話しかけられたのは初めてなのでドキッとする。


「あ、えっと……はい」


近付くだけでなんだかいい匂いがする彼女はまさに、女子力の塊って感じだ。


「私が呼んであげよっか?」


さらには、親切にもそんなふうに言ってくれて。


「い、いいの?ありがとう……」


「いいよ-。ちなみに誰に用?」


「えっと、あの……柊木碧空くん、なんですけど……」


「えっ?」


だけど、私が碧空くんの名前を口にした途端、彼女の表情が変わった。


「……碧空に、用事?」


「え、あ……はい」


「へぇ~。碧空と知り合いなの?」