沈黙していると、
「お前に向かって撃つぞ」
と構えられた。

 やめてください……。

 結局、バスが来るまで、秀行は一緒に居てくれた。

「じゃあな」
と乗り込むとき言って、そのまま見送らずに今来た道を戻っていく。

 彼があの店の近くに車をとめていたのは知っていた。

 ……悪い人じゃないんだけどな。

 なんで好きになれなかったんだろう、と思いながら、窓からその姿を見送る。

 まあ……、

 凶悪だからか、と感傷に紛れそうになっていた、秀行の数々の悪事を思い出し、なんとなく、ネットランチャーの入った紙袋をつかんでいた。