「トーコちゃん!こうなったらハッキリしよう…君は、どっちを選ぶんだ?」

…え?

「俺とケッコン前提の、真面目なお付き合いをするよな?」

「赤野は俺と、たった今から大人の恋をするんだよな?」

「トーコちゃん!」

「赤野!」

 2つの眼差しが私に向かう。

「……」

 しかし、2人のやり取りを茫然と見守っていた私は、あまりのアホらしさに、すっかり理性を取り戻していた。

 私は、2人に向かってニコリと笑った。

「まあまあ、お2人とも」

 言葉を切って息を吸い込む。

「取り敢えず3人で……もう一軒行きます?」