となると、このパシャパシャという音は……

ぐるんと視線を前に向けると、スマホのレンズがフラッシュで何度も光ってた。


「あ、時流様おはよーございまーす!真吹、昨晩帰宅致しました!」

「同じく蝶野、今朝戻りました」


ニコニコ顔の使用人二人がスマホ片手にシャッターを切りまくってる。


「いや〜、可愛いらしいですねぇ……やっぱり出かけて正解でした」

「私もー!あ、蝶野さん、加工終わったら私にも送ってください」


俺は動物園のパンダか!!


「何してる、蝶野!!真吹!!」

「何って、お二人が可愛らしく添い寝しちゃってますので、写真を撮ってました」

「こんなに可愛いんですもん!撮るしかないじゃないですか!」


真吹が画面を見せびらかす。

俺の腕の中に潜り込むように、市木がスヤスヤと眠っていた。

慌てふためいて変な誤解を生まないように必死になる俺の姿を見て、蝶野ははて、と考える。