―――……パシャ、パシャ

パシャシャシャシャッ


……ん、んー……?

あー、何の音だ……?

まだ眠い目を擦りつつ、俺は身体を起こした。

ベッドの横にある目覚まし時計を見ると、朝の六時。

起床時間にはまだ早いから、これは目覚まし時計の音ではない。

ん?

なんだか、いつもより毛布の中が温かい気がする。

帰ってきた蝶野か真吹が湯たんぽでも入れてくれたのか?

いや、だったらもう朝まで熱が持続してるとは思えない。

恐る恐るぺろりと毛布をめくると……


「……ぅ?んぁ、じるさま、おはようございますぅ……」


市木が丸くなっていた。


「ッだあぁーーーーーーっ?!?!」


市木が来てから何度目かの叫びが、自室に響く。

完全に目が覚めた。