真剣に心配してくれている零さんに対して
私は、暴走族相手に自分1人でも身は守れると甘い考えをしていたみたいだ。




「零さん...すみません迷惑かけちゃって...」


「いや...お前も俺の怪我の手当してくれただろ?それのお礼だ」


「...ありがとうございます!」





義理堅い零さんに頭を下げる。




出会ったその日から、私の中で零さんの存在は元々大きかったけど

なんで零さんが、マッサー達から大物扱いされている意味が分かった様な気がする。




「...朝日、お前明日学校だろ?寝ないとやばいんじゃないか?」



「あっはい...零さんも一緒に...」



無意識に言いそうになった言葉にハッとする。




そういえば私、あのベッドで零さんに1回抱かれてるんだった...




思い出した瞬間、一気に顔を赤く染める私を見て
零さんが「どうした?」とこっちへ近づいてくるから



「なんでもないです!!」と後ろへ下がった瞬間



ーーーーズルッ!!




足を滑らせて思いっきり壁に頭を打ち付けた痛みを覚えては、そこからの意識がプツンっと途切れた。