ネガティブな考えが頭をぐるぐるまわって、
気持ちが落ち込む。
クラスごとで並ぶよう声をかけられ、
うつむきながらクラスの列に並んだ。
「……」
うつむいたまま、リュックの紐をぎゅっと握る。
すると突然、頭に何か乗って、視界が暗くなった。
「わっ!」
黒いキャップを私に深く被せると
悠里くんがポンと私の頭に手を乗せた。
「辛気くさい顔は隠せ、バーカ」
べ、と舌を出し、帽子の上から頭を撫でた。
なんだかそれが、すごくホッとして。
「うん……
ありがと、悠里くん」
へへ、と笑うと
悠里くんはもっと深く帽子を被せてきて
顔は見えなかったけど
『……別に』と小さく呟いた声は耳に届いた。