…美音、どうしちゃったんだろう…。
私が悠里くんと話したこと、まだ怒ってるのかな…。
「じゃあ俺はもうバスに乗るね」
「あ、うん。
散策中に会えるといいね」
真白くんに手を振ると、杉浦さんがじーっと私を見ていた。
「……?
私の顔になにか付いてる?」
「ううん。
今日の吉川さん、ほんとに可愛いから、
蛭川くん、惚れただろうなって」
「え!?
杉浦さんがキレイだから、
私はかわいく見られないよ!
杉浦さんに惚れちゃうよ!」
「そんなことないよ。
ほら、あそこでうずくまっている彼も
吉川さん可愛すぎて今心臓落ち着かせてるから
こっちに来れないのね、きっと」
杉浦さんが指さした方には
両手で顔を隠してうずくまっている、悠里くんがいた。