「10年前の記事にはそれらしいものはないな」


新聞を調べ終えた渉がそう言った。


「こっちも」


「次は11年前の分を探してみよう」


地道な作業だったけれど、こうして探し出すしかない。


あたしは再び画面に向き直ったのだった。