そう聞かれて、なんだかわけもなく恥ずかしくなってしまったけれど、 「う、うん。そうだね」 なんて、精いっぱい平静を装って答えた。 だけど、まだ心臓はドキドキしてる。 閉じ込めたはずの記憶が少し、よみがえる。 入学以来、彼と目が合ったのはたぶん、これが初めてじゃない。 だけどきっと、それはすべて、偶然で。 特別な意味なんて……たぶんない。 . * .