「おいっ、離せって! バカ!」


「やだよぉ。良ちゃんの手、あったかいんだもん」


「……ちっ」


「あー舌打ちしたー。年上にそんな態度取っていいの?」



俺の天敵その2、それは、


向かいの家に住んでいる、クソナマイキな女の子。



――高川 有彩(アリサ)。



アリサの誕生日は4月1日で、俺の誕生日はその次の日、4月2日。


たった1日違いなのに、学年はアリサがひとつ上。



アリサはよくお姉さんぶって、俺をガキ扱いしてくる。



「俺は、お前のこと年上だと思ったことねーよ!」


「はいはい。それもう聞き飽きましたからー!」



結局、色んな人にひやかされつつも、


一緒に集団登校の待ち合わせ場所である公園へと向かっていた。