「凛、おーい」
「……ふぇ?」
「おはよ。
着いたぞ」
「……ハッ!
私また寝てた!?
あっ、カバンは!?」
「カバンは美音(みおん)が持ってった。
ほら、早くおりないとドア閉まる」
車内アナウンスが聞こえて、
急いで電車をおりた。
「ご、ごめんね、真白(ましろ)くん、
また起こしてもらっちゃって…」
駅の改札を通り抜け、
小学校からの付き合いである、美音と真白くんと一緒に学校までの道のりを歩く。
朝の電車内で寝てしまうことは多々あって
こうして二人に多大な迷惑をかけてしまっている…。
「美音にカバン抜き取られても起きないし、
逆にすごいよ」
はは、と少し呆れたような声で笑う。
「凛、
あんた危機感なさすぎ!」