「准一の顔、歪んでたね……」


理子の呟く声に、ハッと息を飲むあたし。


歪んだ准一の顔。


つまりそれは、次に死ぬのは准一だと言う事だろうか?


誰かに聞きたいけれど、口にはできなかった。


言ってしまうとそれが現実になってしまいそうな、そんな恐怖があった。


「やっぱり、こんなのいらない」


突然立ち上がった愛子が、写真を手にしたままゴミ箱へと歩いて行く。


そしてそれを捨てたのだ。


「愛子……」


「こんな写真で人の生死が決まるなんてありえない。そうだよね?」


愛子が振り向いてそう聞いて来た。


「そう……だよね」


あたしは頷く。


そうだ、写真で人が死ぬなんてありえない。