愛子の写真が変化しているということは、きっとみんなが持っている写真も変化しているだろう。


和夫の時と、同じように……。


「変な事言うなよ!!」


翔太の怒鳴り声が聞こえてきて、あたしはハッと顔をあげた。


翔太が愛子の持っていた写真を奪い取る。


「ちょっと!」


愛子が奪い返そうとする前に、翔太は写真グチャグチャに丸めて近くのゴミ箱へと投げ入れてしまったのだ。


6人の間に沈黙が横たわった。


翔太は真っ赤な顔をして怒っている。


「こんな写真なんか、クソくらえだ!」


翔太は吐き捨てるようにそう言い、中庭から院内へと入って行ったのだった。