「とにかく、俺たちは何か食べよう。院内でぶっ倒れて迷惑かけないようにさ」


気を取り直すように渉が言った。


「そう……だね」


美津が軽く顔を上げて頷いた。


食欲はないけれど、そんな事を言っている場合ではない。


ちゃんと栄養を取って、准一を見守らないといけないんだから。


それからあたしたちはほとんど無言のまま食事をした。


おいしいハズの料理の味はちっとも感じられない。


だけどあたしはパスタを食べきって、息を吐いた。


「病院へ戻るの?」


理子が誰ともなくにそう聞いた。


「あぁ。もちろんだ」


渉が返事をする。


「ついでに彰の様子を見てみるか」


そう言ったのは翔太だった。


そう言えば、彰もまだ入院しているかもしれないのだ。