ケータイ小説 野いちご

「彰、お前大丈夫なのかよ?」


その光景を見た瞬間、翔太がそう聞いた。


「おぉ。一応大丈夫なんだけどな。1日入院するらしいよ、俺」


彰はひどい鼻声でそう言い、自分を指さして笑って見せた。


その態度にホッと胸をなで下ろす。


苦しそうではあるけれど、まだ冗談が言えるのだ。


和夫の時とは違うそれに自然と笑みがこぼれていた。


「あ、梢今お前笑ったろ。人の不幸を笑っただろ」


彰がすぐにあたしを見てそう言って来た。


「そ、そんな事ないよ! 彰が変なこと言うからじゃん」


あたしは慌てて左右に首を振り、そう言った。


「病人らしくねぇなお前は」


翔太がそう言い、彰の肩を叩く。


それに対して彰はわざと痛がるふりをする。


よかった。


あたしは2人を見て笑ったのだった。

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