「そう、だね……」


病院へ行ったのであればもう病名はわかっているはずだ。


それを聞けばあたしたちだって安心できる。


「悪い。俺は今日は予定があるんだ」


准一が申し訳なさそうにそう言った。


「え、そうなの?」


あたしは聞き返す。


「あぁ。でも、明日ならみんなと一緒に行けるはずだから」


「そっか。仕方ないね」


「ほんと、悪い」


准一はそう言うと、急ぐように帰ってしまったのだった。


残されたあたしたちは誰ともなく歩きだし、そのままバスに乗って病院を目指していた。


あたしと、愛子と、美津と、理子と、翔太と、渉。


いつもならここにムードメーカーの和夫が入るのに、和夫はもういない。


そう思うと途端に胸が苦しくなった。