人通りが少ない校舎裏、彼女の周りには5人の女子が群がっている。


「ねえ、なんであんたなんかが湊様たちと一緒にいられるの?」

「…な、なんでって…」

「答えてみろよっ!」

真ん中のリーダーとも思える女子は大きな声を荒らげると、香川 佳穂の肩を思いっきり押した。

それに続いてその他の子も殴るなり蹴るなりする。


香川 佳穂は悲鳴もあげることなく、ただただ唇を噛んでされるがままだ。


何やってんの。


「ちょっとそこの人たち」

考えるより先に声が出ていた。

「結愛ちゃんっ!」

「はっ?」

あーあ、私と香川 佳穂が知り合いだってバレちゃった。

まあ別にいいけど。


香川 佳穂を囲んでいた人たちは、前に見た人たちとは違う人のようだった。

そいつらは鬼の形相で私を睨みつけてきた。