ケータイ小説 野いちご

「せっかく来てくれたんだし、ゆっくりして行ってね」


和夫のお母さんにそう言われ、あたしたちはぞろぞろと家にお邪魔することになった。


和夫の部屋は2階の一番奥の部屋だった。


西側に窓があるから、この時間はよく日差しが入っていることだろう。


「和夫、みんなでお見舞いにきたぞ」


こげ茶色のドアの外から渉がそう声をかけた。


けれど、中からは返事がない。


耳を澄ませてみても、物音も聞こえて来なかった。


「寝てるのかな?」


愛子が呟く。


「和夫、開けるぞ?」


渉がそう声をかけてドアをあけた。

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