「………結灯?」 「……あ、貴也」 恒例の夜10時の蛍太郎の散歩。 ここ2週間、珍しく結灯に会わなかった。 いつもはどこからともなく現れるのに。 結灯は、田んぼのへりに座っていた。 …………俺が声をかけるまで気付かずに。 「ワンッ!」 「けいたろーっ!元気してたー?」 元気がないのかと思ったけど、そうでもないらしい。 いつものように蛍太郎に抱きついて、 けらけら笑ってる。